平素より、徳島市民病院の運営につきましてご理解ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
徳島市民病院は本年4月1日より、新院長に日野 直樹先生が就任し新体制となりました。当院は急性期医療、地域医療、災害時医療を基盤に、「地域周産期母子医療センター」「関節治療センター」「がんセンター」を3本柱として位置づけ、専門医が最先端の医療を提供できる体制を整えております。また、臨床研修指定病院として徳島大学を中心に県内の医療機関と協力し、将来の徳島の医療を担う若い人材を育成することは診療同様、当院の大きな役目と考えています。幸い初期臨床研修医は今年度もフルマッチし、新たに7名を迎えることができましたので、計14名の臨床研修医を病院全体で温かく大事に育ててまいります。
医療圏内の病院・診療所との役割分担において、救急患者の受け入れは当院の大きな役目です。昨年度も約3300台の救急搬送を受け入れておりますが、搬送要請をお断りしている件数を減らすことが課題です。また、3年にわたるコロナ禍を経てパンデミック時における公的病院の果たすべき役割が再認識されたことから、当院では、国の第8次医療計画において6事業目として追加された「新興感染症発生・まん延時における医療」に対応するため、簡易陰圧装置を設置した12床の感染病棟(平時は休棟)を整備しております。さらに、南海トラフ地震等による大規模災害発生時に、病院としての機能を維持することは市民病院が果たす大きな役割の一つです。公立病院として、不採算であっても欠かせない医療の提供や、災害時に対応できる準備を怠らないなど、地域社会全体へ貢献することも大切です。
本年6月には、2年ごとの診療報酬改定が実施されます。本体部分は30年ぶりの3.09%の大幅引き上げで、全体では2.22%のプラス改定が決定しておりますが、近年の賃金や物価・光熱費の高騰を考慮しますと、今年度以降も、経営的にはまだまだ厳しい状況は続くと思われます。公立病院として経営の健全化は重要課題ではありますが、本来私たちの使命と役割は、医療の質向上に務め安全で最善の医療を患者さんへ提供することです。地域の中核病院として「ここに在って欲しい、在ると安心、ないと困る」と思っていただける病院を目指し、当院の理念である「思いやり・信頼・安心」を職員全員がしっかりと胸に刻み、市民の方々からの信頼を得られるよう、病院運営に注力していく所存であります。今後とも徳島市民病院を何卒よろしくお願い申し上げます。
2026年4月1日
徳島市病院事業管理者 三宅 秀則
地域の皆様、ならびに連携医療機関の先生方には、日頃より徳島市民病院の運営に多大なるご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
当院は、「思いやり・信頼・安心」という理念のもと、患者さんや地域の先生方、そして病院スタッフをはじめ、誰からも信頼される病院を目指しています。公的医療機関として、急性期医療、地域医療、災害時医療を基盤とし、地域の皆様に「ここに在って欲しい、在ると安心」と思っていただける中核病院としての役割を果たすべく、日々病院運営に取り組んでまいりました。ポストコロナで通常業務へと移行して間もなく3年になりますが、一時期落ち込んだ急性期病床の稼働率向上や救急患者受け入れの更なる強化に努め、徳島大学からの救急医派遣の協力も得て、2025年は救急車の年間受け入れ数が3381件となるなど、着実な成果を上げております。
また、当院の柱である「3つのセンター」も確実な実績を積んでおります。中でも、私自身が外科医として長年最前線で携わってきた「がん治療」におきましては、当院の「がんセンター」が地域の中核的な役割を担っています。各領域の専門家が連携してチーム医療を行っており、前立腺がんや大腸がん、肺がん、婦人科がんなどにはロボット支援手術システムが用いられ、2025年は110件の手術が実施されました。緩和ケア病棟も備えており、あらゆるがん治療の状況に対応出来る施設となっております。患者さんお一人おひとりの不安に寄り添い、質の高い包括的ながん診療を実践していくことは、乳がん治療を行ってきた私の強い願いでもあります。
地域周産期母子医療センターでは無痛分娩が開始され、2025年は100件を超えるようになり、分娩数全体も増加しました。関節治療センターではナビゲーションやロボットアームを用いた人工関節手術が過去最高の620件を記録するなど、各分野で充実した専門医療を提供しております。
さらに、地域における役割分担を踏まえて回復期病棟を機能転換し、パンデミックに対応可能な感染病棟を整備したほか、大規模災害に備えて簡易トイレを含む備蓄品を拡充するなど、有事の即応体制を強化しております。地域医療のセーフティネットとしての機能や災害医療体制の構築を進めつつ、徳島大学をはじめとする様々な医療機関と連携して県内医療を支える若手医師やスタッフを育成することで、持続可能な医療の実現に貢献してまいります。
医師の高齢化や働き方改革、人手不足、物価高騰など厳しい経営環境の中ではありますが、タスクシフトや医療DXの積極的な導入により業務の最適化を図り、誰もが働きやすい環境づくりに努めてまいります。スタッフ一同が利他と恕(思いやり)の心を持ち、連携医の先生方と協調しながら徳島の医療を支え続けていく所存です。本年度も、徳島市民病院をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2026年4月1日
徳島市民病院 院長 日野 直樹