無痛分娩

1. はじめに・無痛分娩とは

出産に伴う痛みは、背中の脊髄を通して脳へ伝えられます。無痛分娩は、硬膜外麻酔で腰部から麻酔を行うことで、痛みを脊髄で遮断するため、出産時の痛みをやわらげるものです。麻酔中はお母さんの意識は保たれ、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。ただし完全に無痛というわけではなく、ある程度痛みをおさえて、分娩時は自力で「いきむ」ことができるように、麻酔薬の量などを調整して、安全にお産ができることを目指しています。

2. 無痛分娩の麻酔・硬膜外麻酔

無痛分娩の標準的な方法で、脊髄を包んでいる袋の外の硬膜外腔という空間に細いチューブ(カテーテル)を挿入し、痛みの程度に応じて、出産まで局所麻酔薬などを注入する方法です。痛みの程度に応じて、薬の量や種類を調節します。

無痛分娩の麻酔・硬膜外麻酔

3. 分娩に関連した急変時の体制

予期できない偶発症が発生した場合には、適宜、適切に対応します。麻酔科医、他の診療科医、HCU(集中治療室)と連携し対応します。また、新生児についても小児科医、NICU(新生児集中治療室)と連携し対応します。

4. 無痛分娩麻酔管理者

  • 福井 理仁(周産期母子医療センター長)
    • 日本母体救命システム普及協議会
    • JALAカテゴリーA・B講習受講済
    • 新生児蘇生法「専門」インストラクター

5. 麻酔担当医

  • 福井 理仁産婦人科学会専門医

6. 日本産婦人科医会偶発事例報告・妊産婦死亡報告事業への参画状況

  • 日本産婦人科医会偶発事例報告:有
  • 妊産婦死亡報告事業:有

7. 統計情報

分娩件数
年度 分娩件数 内訳(経膣分娩) 内訳(帝王切開)
令和2年度 550件 374件 176件
令和3年度 540件 386件 154件
令和4年度 460件 312件 148件

8. 分娩料・分娩介助料

分娩料・分娩介助料
分娩介助料(無痛分娩の場合) 診療日の午前8時から午後6時までの間における分娩の場合 1件につき 240,000円に無痛分娩の施術に要した薬剤費等の実費を合算した額(特別分娩室使用料を含む。)
同上 診療日の午後6時から翌日の午前8時までの間における分娩の場合 1件につき 250,000円に無痛分娩の施術に要した薬剤費等の実費を合算した額(特別分娩室使用料を含む。)
同上 休診日における分娩の場合 1件につき 250,000円に無痛分娩の施術に要した薬剤費等の実費を合算した額(特別分娩室使用料を含む。)

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